相続・高齢者支援専門行政書士のかみおかです。当事務所に相続について相談のお問い合わせをいただくとき、一番多いのがこの『遺産分割協議書って作れますか?』です。
もちろん作成することは可能です。しかしながら、その作成のためにはいくつか前提情報をいただく必要があります。
①被相続人(亡くなった人)は誰か、いつ亡くなったか。相続人は誰か。相続人は健在か。
⇒相続人は『戸籍』の調査をおこない、民法の規定に従い確定します。相続人の方が他界していて、別の方が相続人になるケースがあります。 (この部分をすっ飛ばして遺産分割協議書の作成を求めてこられる方が散見されます。)
②遺言を残していなかったか。
⇒自筆の場合には家庭裁判所で開封・確認してもらう手続が必要です。検認といいます。公正証書遺言を作成していたかどうかは、『公証人役場』で照会・検索してもらえます。遺言があれば、遺産分割協議書を省略できる場合もあります。
・対象となる財産は何か(不動産?現金?預貯金?株式?)
⇒不動産の場合には、【登記】という別の手続が必要となります。これは当職より『司法書士』に連携します。相続人が知らない、非課税や他人と共有になっている不動産があったりするので、念のため『固定資産名寄せ帳』の取り寄せ(閲覧請求)をおこなうこともあります。
⇒株式の場合には、上場株式と非上場株式に分けられます。上場株式の場合、相続人を決めて、その相続人には基本的に被相続人と同じ証券会社で口座開設を求められるケースが多いです。非上場株式の場合には、株式発行会社に対して相続開始を申し出て、遺産分割協議書とともに株券の裏書きを要する場合があります。
③法定相続人は誰か。相続人全員がその財産の存在を知っていて、その分割について承諾しているか
⇒ある日、突然、親族から「この書面に実印ついて印鑑証明書つけて送り返してくれ」と言われて、納得していないから送り返さないなんてケースも稀に聞きます。遺産分割『協議』である以上、相続人全員の承諾が必要であり、相続人全員が参画しない遺産分割協議は無効となります。(なので①が重要なのです)
⇒相続人の主張が対立し協議が整わない場合には、家庭裁判所に「調停」を依頼することになります。(家事審判法に基づきます)
遺産分割協議書の根拠法は下記です。
(遺産の分割の基準)
第906条 遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。
(遺産の分割の協議又は審判)
第907条 共同相続人は、(中略)、いつでも、その協議で、遺産の全部又は一部の分割をすることができる。
遺産は、相続人全員の納得があれば一般的にどのように分割してもかまいません。一番望ましい分割の方法は『譲り合い』です。折り合いがつかなかったり、紛議がある場合には、民法第900条(法定相続分)に基づき、分割することになります。
なお、当事務所でお受けできる遺産分割協議書の作成は
❶相続人全員が参画・合意し
❷相続人全員がその遺産分割の方法・内容を承諾している
場合に限られます。ご不明な点は当事務所までお問い合わせください。
(投稿者・行政書士 上岡 融)
